『和の精神』

先日、和僑会(海外の日本人ビジネスマンの組織)のメルマガで、小池さんのインタ
ビューを受けました。この内容を今回は、掲載いたします。宜しくお願い申し上げます。

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■企画の目的 : 
・和僑会会員が、日本の歴史や武士道について学ぶキッカケを作り、世界に誇れる
「和の精神」を抱けるようにする。

・ご活躍されている経営者の方に、和僑としてどのようなアイデンティティを持ち、
経営に挑んでいらっしゃるかをお話し頂き、和僑会会員の参考にしてもらう。

・また、経営のみならず、日常生活の道徳的規範にもなるようなお話も紹介する。
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皆さん、こんにちは。東京和僑会の小池です。

世界を目指す和僑だからこそ武士道などの「和の精神」について理解を深めておくこ
とは大切だと考え、
『和僑による和僑のための「武士道」』 というコーナーを毎月お届けしています。


今回は、今もっとも勢いのある和僑会の一つと言われている沖縄和僑会の代表幹事、
金城和光様【㈱沖縄ヒューマンキャピタル 代表取締役】に お話をお聞きしました。
(以下、金=金城様、 小=小池)


小 : まず、これまでのご経歴や現在のお仕事について教えて頂けますか?
金 : 以前、私は沖縄振興開発金融公庫という所で融資を担当していましたが、沖
縄は、沖縄以外から外貨(海外だけではなく、本土も含む)を稼げる企業が少なく、
それを出来るようにしたいという思いがあり、私が公庫時代に融資を担当し、支援し
続けていたベンチャー企業へ(全国向けの通販事業)、40歳の時に転職をしまし
た。その後、44歳の時に、沖縄県の外郭団体である(財)沖縄県産業振興公社への
転籍をきっかけにし、沖縄県や民間企業の出資により設立される「沖縄ベンチャー育
成ファンド」の運営を担当することになりました。

 現在は、沖縄県唯一のベンチャーキャピタル(以下:VC)として、そのファンド
の運営業務やベンチャー起業家の支援を行っています。今年からは、企業支援のみな
らず自らビジネスを立上げることも実践していきます。


小 : 沖縄のVCというのは珍しいですね。何か特徴はあるのでしょうか?
金 : やはり沖縄は、本土に比べて、企業も人材も産業も育っていませんので、そ
れを打開できるようなビジネスを育てたいと思っています。


沖縄県の産業振興(日本一安い県民所得、日本一高い失業率からの脱却)において
は、3つポイントがあると思います。(地域の人が、地域で働ける社会を作りたいと
思います。)


1.沖縄県に外貨を稼げるベンチャー企業を増やすこと。

アジアの成長市場に近い沖縄県で、日本の技術力のあるベンチャーを集積し海外進出
を支援することです。

沖縄県の地元の企業は、小さな企業が多く、それだけで産業振興するには限界があり
ます。そこで、本土の技術力のあるベンチャー企業を沖縄で研究開発と製品化を支援
し、アジアの市場への展開とアジアの市場へIPOできる企業を1社でも多く創出し
ていきたいと考えております。

現在、「沖縄ベンチャー育成ファンド」で出資し支援している企業7社のうち3社
は、沖縄和僑会に所属しており、そのうち1社は、アジアの市場でのIPOを視野に
入れて活動をはじめております。

また、「水の浄化」「磁気によるゴミの炭化(エネルギーがいらない)」「生ゴミの
飼料化」という分野で素晴らしい技術を持った会社が沖縄にも存在し、既にその技術
はベトナムや韓国へも進出しております。今後成長が期待できる環境分野の企業も沖
縄には存在します。


2.沖縄県のエネルギーの輸入を減らすこと。

※地産地消型経済モデル(農産物・加工品)、地域循環型の経済モデル(電気自動
車、太陽光発電)など、沖縄県の場合、石油・エネルギーの輸入が1000億円以上
あり、風力・太陽光発電、自然エネルギーを活用した経済・産業体系に変換すること
により、将来、お金の流出を防ぐことができます。

3.海外から沖縄県を訪問する交流人口を増やすこと。


これは、観光に変わる新しい交流産業の推進です。香港やシンガポールなど、アジア
各国がMICE( Meeting、Insentive、Convention、Event)産業を伸ばそうとしています。

沖縄県は、年中スポーツのできる環境(沖縄県の強み)を活かしMICEの中でも、最
後の‘E’(イベント+展示会)に選択と集中すべきであると考えています。つまり、ス
ポーツ(趣味)を中心とした交流産業の推進です。


スポーツイベント+展示会をセットに開催することです。
一つの事例として、昨年12月に開催された那覇マラソンは、2.5万人ほどが参加
しました。これをアジアのマラソン大会へ拡大する考えです。その翌日に、スポーツ
メーカーのマラソンに関連した展示会を開催するイメージです。


現在、沖縄県で開催されておるイベントとして、世界空手大会、各種マラソン大会、
トライアストロン大会、車イスマラソン、目の障害者のマラソン、自転車ロードレー
ス、プロ野球キャンプ、プロバスケットリーグ(昨年度沖縄のプロチームが優勝)、
ゴルフ大会、マリンスポーツ(ビーチバレー、ビーチサッカー、ヨットレースなど)
様々なスポーツイベントが開催されています。


これらのイベントをアジア大会へ昇格させ、展示会もからめ、リピ―ト客を増やして
いく戦略が必要かと考えています。


小 : 和僑会との関わりはどういった経緯で生まれたのでしょうか?
金 : 去年の1月、香港貿易発展局の古田さんに東京でお会いする機会があったの
ですが、その時に、名古屋にいらっしゃった筒井会長を電話でご紹介頂きました。そ
の1週間後に名古屋で筒井会長にお会いして、そして、その2週間後には、筒井会
長、下地副会長に会いに香港に行きました。そして、去年の3月20日に沖縄和僑会
を立ち上げました。

沖縄から見れば、東京に進出するのも大変なので、同じ大変な思いをするなら世界を
相手に勝負をしよう!という想いで運営しています。

小 : それでは、金城さんが尊敬される歴史上の人物を教えて下さい。
金 : 二宮 金次郎(尊徳)と渋沢 栄一です。


小 : まず、二宮金次郎を選んだ理由を教えて下さい。
金 : 皆さんも、薪を背負いながら本を読んで歩く彼の銅像はご存知だと思います
が、勉強を大切にしただけではなく、勉強と行動を一致させている点が素晴らしいと
思います。


彼は、14歳で父親を、17歳で母親を亡くし、その後は叔父の家で肩身の狭い思い
をしながら暮らしていました。昼間は仕事を手伝っていたため、夜は寝る間も惜しん
で読書をしていたのですが、「ランプの油代がもったいない」と叔父に叱られます。
しかし、彼は諦めずに、荒地に菜種をまいて収穫した種を菜種油と交換し、それを燃
やして勉学を続けました。そして、伯父の農業経営を軌道に乗せ、19歳で独立し、
地主経営を行いながら、


小田原で武家奉公人としても働きました。そして、奉公先でも活躍していくのです
が、ビジネスと道徳の融和(金儲けだけではなく、社会貢献を両立させるのが大切)
を説いた「報徳思想」を広めます。

小 : 二宮金次郎が経営者としても有能だったというのは知りませんでした。
金 : 「二宮翁夜話」には、含蓄ある言葉が多く載っていますので読まれると良い
ですよ。


例えば、こんな言葉があります。

「近きを謀る者は、春植えて秋実る物をも、猶(なお)遠しとして植えず、ただ眼前
の利に迷ふて、蒔かずして取り、植えずして刈取る事のみに眼をつく、故に貧窮
す。」

遠い先の事まで考えられる人は、1年先のことも大事に出来る。一方、眼前の利益だ
けしか考えられない人は、1年先のことも考えられないから、更に貧しくなる。とい
う意味で、長期的な視点でビジネスをするべきだと言っています。


二宮金次郎は、農村開発の前に、心田開拓(農村で働く人の心の開発・教育)から着
手したのですが、沖縄の長期的な発展のために人材育成の必要性を感じている身とし
て、強く共感するものがあります。


小 : それでは次に、渋沢 栄一を選んだ理由を教えて下さい。
金 : まず、大蔵官僚から民間になった点で、自身の経歴と共通する部分もあり、
思想も大変尊敬しています。

彼の著書『論語と算盤』は多くの企業経営者が読んでいると思いますが、彼が幼少期
に学んだ『論語』を拠り所に倫理と利益の両立を掲げたもので、その思想は、二宮金
次郎の「報徳思想」と同じです。また、経済を発展させ、利益は独占するのではな
く、国全体を豊かにする為に社会に還元するべきだ、と説き、彼自身もそれを実践し
ました。


500位の事業を立ち上げた日本の歴史に残る事業家でありながら、600位の社会
貢献事業もしています。しかも、同時期(明治初期)に活躍した、岩崎弥太郎などの
財閥創始者とは異なり、「私利を追わず公益を図る」との考えのもと、彼は財閥を作
りませんでした。経営学の神様と言われたピーター・ドラッカーは、「率直に言って
私は、経営の『社会的責任』について論じた歴史的人物の中で、渋沢栄一の右に出る
ものを知らない。


彼は、世界の誰よりも早く、経営の本質は、『責任』にほかならないということを見
抜いていた。」と語っています。

小 : 最後に和僑会メンバーへのメッセージをお願いします。
金 : 学びも実践も両方大切です。最初に、理念が弱いと自分の考えや行動がブレ
てしまいますので、自分の理念(哲学)もシッカリ持って頂きたいと思います。経営
理念については、稲盛和夫氏の本もお勧めですが、稲盛さんも、渋沢栄一も、二宮金
次郎も、最終的にはみな論語(孔子)の教えに遡ります。論語(孔子)について学ん
でおく事もお勧めです。


しかし、ただ学ぶだけでは困ります。真の学びとは、「学んだことを、成功する(成
果がでる)までやり続けること」(知行合一)の考えが、大切であると思います。そ
れを「実学」ともいいます。

最後に、私の好きな言葉です。


『成功』とは、自分の人生の目的を知り、能力を発揮する為に成長し、人のためにな
る種をまくことです。皆様のご成功を心からお祈り申し上げます。


今年の11月25日、26日には沖縄で和僑アジア大会が開催される予定ですので、
是非皆さん駆けつけましょう!

金城さん、貴重なお話をありがとうございました!

農業・環境ベンチャー向けのファンド組成(農林中央金庫)

 農林中央金庫は、日本アジア投資とともに、総額21億円を拠出し、農業・環境ベンチャー向けのファンドを立ち上げる。『アグリ・エコサポート投資事業有限責任組合』の名称で、日本アジアの投資子会社のJAICシードキャピタルを中心に運営する。金融機関から融資などを受けにくい、農業や環境分野のベンチャー企業や新たに農業を始める個人などを中心に、10年間で40件程度の投資を見込んでいる。
 
 農林中央金庫は、2007年に農業支援を目的に、基金を創設しており、今回のファンドは、この基金から拠出し、生産・流通で先進的な事業モデルを導入している農家などが主体に投資していく見通である。


                                ㈱沖縄ヒューマンキャピタル(2008.8.13)

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〒903-0213
 沖縄県西原町字千原1番地(琉球大学地域共同研究センター内)
  ㈱沖縄ヒューマンキャピタル    http://www.okinawa-hc.com  
    代表取締役  金城 和光  TEL/FAX : 098-895-1702

※沖縄ヒューマンキャピタルは、沖縄県のベンチャーファンドを運用しているベンチャーキャピタルです!
※沖縄県唯一のベンチャーキャピタルとして、ベンチャー企業やベンチャー起業家を支援しています! 
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