第2回 『仕事を考える』 このセミナーは、これからの沖縄を創っていく若者の人財育成を第一の目的として、学生と一緒に学ぶ機会をつくり、学生が今一番悩んでいる、就職を題材にし、ディスカッションを通して、これからの自分の人生を考えてもらういうことを趣旨で開催しております。
第2回目のテーマは、『仕事を考える』です。
その中で、以下の5点をお話しさせていただきました。
1.仕事の定義
私の考える仕事とは、『先輩から引き継いだ仕事を、良くして後輩へ引き継ぐ』ということです。言葉をかえると、『先代から引き継いだ社会・環境を、良くして次の世代へ引き継ぐということです。』
良くするとは、『速く、正しく、美しく』、自らの知恵や工夫を入れて、自らに与えられたご縁のあった仕事を通して、社会をよりよくして、後輩へバトンタッチするということです。
ただ、単に、先輩から引き継いだ仕事を、そのまま、後輩に引き継ぐことは、『単なる作業=奴隷の仕事』です。自分の知恵や工夫があるからこそ、仕事に対する意欲やモチベーションが向上するものと思います。ぜひ、自分の仕事の姿勢を、自ら定義することをお勧めいたします。
2.人間の本質を知る
最近、いろんなところで、学生や社員のモチベーションが低いという言葉を聞きます。その対応しては、人間の行動の本質を知るところからスタ-トするべきであると考えます。
そもそも、人間の行動(モチベーション)は、人間のDNAに仕込まれている、欲求から生まれているという考え方をご紹介いたします。
人間は、5つの基本的な欲求を満たすために動機付けられ行動するということです。
(1)マズローの五段階欲求説(動機の段階説)
①レベル1(生存欲求)⇒◎空腹、飢えを癒す
②レベル2(安全の欲求)⇒◎安全を求める
③レベル3(所属の欲求)⇒◎自分が属する集団の中で深く理解され、深く受け入れられたい
④レベル4(評価・承認欲求)⇒◎自尊心を満たす、他者から注目や評価を受けたい
⑤レベル5(自己実現欲求)⇒◎自己成長、自由、楽しみを求める、心の豊かさを求める
※追加、⑥レベル6(自己超越)⇒◎利他の心で、自ら貧困支援や社会福祉等に献身する。
(2)ハーズ・バーグの2要因仮説
①人を積極的に動機付けるのは、「衛生要因」ではなく、「動機付け要因」であるという理論です。
②「衛生要因」と「動機付け要因」
衛生要因とは、満たされていないと不満に感じるけれど、「やる気:モチベション」を引き起こさせるほどの満足ではない。要するに「不満足を解消する要因」にすぎないということです。
つまり、「やる気:モチベション」を引き起こさせるものは、「動機付け要因」であるということです。
「衛生要因」・・・会社の方針、就労条件、給与など
「動機付け要因」・・・仕事の達成感、仕事に対する責任感、業績の承認、昇進、自己成長など
3.心の構造(稲盛和夫)
人間の行動(モチベーション)の中で、心の構造を知ることは重要です。人間の心(本質)には、利己と利他の両方の心が存在し、その中で、私は、利己と利他のバランスを取ることが非常に大切であると感じています。現代社会は、利己が強すぎます。利他が弱いような気がします。つまり、少しは、利己を抑えることが利他が芽生えるということにつながることになります。あなたの利己と利他の比率はどのような割合でしょうか。
■心の構造(本質)
(1)真我(本質)=沖縄方言でマブイ(真振:マブリ)・利己の心(本能)○%、利他の心(良心)○%
↓
(2)感情・・・喜怒哀楽
↓
(3)感性・・・五感
↓
(4)知性・・・知恵(一番外側)
4.学問のすすめ
福澤 諭吉(ふくざわ ゆきち)、1835-1901、江戸幕末~明治期の武士(中津藩士)、思想家、教育者。慶応義塾創設者、明治の六大教育家。
(1)学問のすすめ・・・「天は、人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
①人は、生まれながらに、貴賤貧富の別なし。ただ、良く学ぶ者は、貴人となり、富人となり、そして、無学なる者は、貧人となり下人となる
②独立の気力なき者は必ず人に頼る。頼る者は人を恐れ、恐れる者は人にへつらう。愛国の意がある者は、官私を問わず、先ずは、自己の独立を成し遂げるべし。余力あらば、他人の独立を助け成すべし。
(2)学問のすすめで伝えたかったこと
①人間は、生まれた時には平等で、何の貧富の差もないのに、大人になるにつれ、なぜ、金持ちと貧乏人に別れるのか?なぜ、心の豊な人と貧しい人に分かれるのか?また、学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり。との書いております。
②福沢諭吉は、「すべての全人類は平等である」と説いたのではなく、「平等に生まれた人間は、学問によって差が生じる」と論じており、ゆえに、「学問のすすめ」だと思います。
③ただ、それだけを見てみると、いかにも学歴偏重主義に受け取られるかもしれません。しかし、「古来漢学者に世帯持の上手なる者も少なく、和歌をよくして商売に巧者なる町人も稀なり」 ということも論じており、つまり、八百屋を経営するために物理学など難しい学問を学ぶ必要は無いということです。
④どんなに難解な学問を修め、精進しても、自分の生活を犠牲にするようなことでは意味が無いことであり、これを『実なき学問』と呼び、真に精進すべきは、本来の生活に通用する『実学』である必要があると説いております。
⑤以上から「学問のすすめ」のメッセージは、自らの仕事におけるプロを目指し、自らの仕事に関しての「実学」を深めなさいということなのでしょうか。
さて、企業経営者のなかで、会社では立派な社長であっても、家庭は離婚、こどもは不登校など、家庭の問題を抱える経営者も多いと聞きます。私も人事ではありませんが、やはり、家庭経営がしっかりできて、会社経営が安心してできるのでしょう。
個人の健康⇒家庭の健康⇒会社の健康⇒社会の健康だと思います。自分の目の前の空気だけはきれいにできません。社会の健康のためにも各自で精進することが求められていると思います。
5.「石の上にも三年」
(1)「冷たい石の上にも3年座りつづければ温まる。つらくても辛抱して続ければ,必ず成功する。
辛抱強く根気よく勤めることが大切という意」、 「辛抱(心法)して続けていればきっといいことがあるよ。」※『心法(しんぼう)』 (仏語で心や精神を訓練する法)からその諺がきているようです。
(2)現代では、出来るだけ楽をして成功をつかみたいと思う人の方が圧倒的に多いですが、1つの道を真剣に極めようとしたならば、大抵の事は三年位はかかります。物事を成し遂げ、自分の望む結果(夢、目標)をつかむまで、三年と言わず、辛抱強く意志を貫き通せるように『辛抱』という精神力を鍛えてください。ということでしょう。
(3)就職も仕事も3年が大切
これから就職する学生の皆さんや転職する皆さんえへ、与えられ仕事をご縁と思い。一つの仕事に3年間は、真剣に深く、学び、その道のプロの域まで、3年間で極めてみてください。自分の道が必ず、開かれていくものと確信します。幸運をお祈りいたします。
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11月19日(水)、第2回の『仕事を考える』のセミナーが終了しました。
来年の3月まで、毎月1回(第3水曜日)のみ開催予定です。
今回のセミナーでは、私が一番勉強させてもらっています。
来ていただいた学生に感謝いたします。
先日、受講した学生から、本日以下のメールをいただきました。 感謝です。
【学生A】
昨日も前回に引き続き、大変有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。私は就職にも夢が持てないでいましたが最近、玩具の企画・開発がしたいと考えるようになり、それが夢だと思っていました。しかし企画・開発といった部門が全てではないと、昨日のセミナーを受講して感じました。これから頑張ります。次回も出席いたしますので、よろしくお願いします。
【学生B】
お忙しい中、昨日はありがとうございました。前回と同様、為になる話をきけて満足しています。突然ですが、私のやりたいことは、人と人との間にたちコミュニケーションをはかったり、世界中を飛び回り、最終的に沖縄に貢献したいということです。ですから、さまざまな業種を調べた結果、商社ではないかと思い、本を読んだりして商社について調べています。また、自己分析をするこどでやりたいことについての熱意を明解にできるだろうと、昨日のセミナーを聞いて思ったので、自己分析にも力を入れていこうと改ためて考えました。そして、商社一本ではなくさまざまな業種もみたいと考えているので、今日と明日、銀行に会社訪問にいってきます。これから、学べることはすべて吸収し、自分のものにしていきたいと考えているので、セミナーよろしくお願いします。来月のセミナーにも参加希望します。よろしくお願いします。
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